4月7日 朝4時 月明かりの中アローキャンプを出発。 今回の登山の一番の難所、ウエスタンブリーチの突破に入る。 道などはない。靴を雪に突っ込んで、足場を固めて行くしかない。 ガイドの足跡を、慎重に一歩一歩たどる。 (雪山登山用の靴装備はつけていない) 朝日の明かりを利用して、撮影をするが、すぐに曇り雪が降り出し、吹雪となる。 再び、上を目指して登り続ける。 足元ばかり見ていたら、「ドドドッ」と何か落ちてくる音が。 ハッと上を見ると、巨大なものが転がりながら、僕の方へ落ちてきていた。 それが何か考える余裕なく、体を横に倒す。その巨大なものは、僕の頬をかすめていった。 何なんだ。その転がっていく物をよく見ると、ザックが二つ。その内の一つは、見慣れた青いザック、僕のやつだ。 前を行っていたポーターが、足を滑らせ、頭の上に載せていた荷物を落としたのだった。 ザック二つは、止まってくれ!との僕の願いとは逆に、スピードを増して下へ、下へと転がり、ついに見えなくなってしまった。 もう一つのザックには、寝袋などの防寒具だけ。 「とりあえず、撮影機材でなくてよかったですね」と言いながら、心の中では、何で僕のを。中には財布が…。 探しに行けるか、と聞くとポーター達は厳しい顔に。 たしかに、この急斜で雪道を下るのは危険だ。 諦めかけていると、ガイドのアロンが「探してくる」と言ってくれた。 ポーターを一人連れ、彼は降りていった。頼むよ、アロンさん。 気分を入れ替え、僕たちは上へ。目前に巨大な岩崖が現れた。 これを乗り越えたら、頂上。岩を這いながら、上へ。 吹雪で全く見えないが、平らな所に出たらしい。 キリマンジャロクレーターにたどり着いたのだ。と感動に浸る余裕がないくらいに、吹雪いている。 とにかく、早くキャンプサイトへ避難するため、真っ白の平原を30分ほど歩く。 13:30クレーターキャンプ到着 所要時間:9時間30分 レンジャー駐在なし、トイレなし、水はもちろん雪 右写真:クレーターキャンプ 奥の崖の上にウフルピークが
クレーターキャンプに着いて1時間ほどすると、ガイドのアロン達が帰ってきた。 しかも、背中に僕のザックが。やった!皆で拍手喝さいの出迎え。 聞くと、2日前に泊まったラバタワーキャンプ近くで見つけたということ。 すごい。走ったに違いない、こいつは。超人達だ。 まだ吹雪いていたが、近くの氷河の撮影に。雪除けのため、カメラの上に防水シートを張る。そして、1時間弱歩き、クレーター噴火口に到着。 しかし、天気が悪く噴火口が見えないので、中止。
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